どーも、ききです。
危険物の免許で乙類と呼ばれるものがありますが、危険物の試験を受ける人は大抵乙4類を取得すると思います。
理由として、乙4類はガソリンとか灯油など割とメジャーな危険物を取り扱う際に必要な資格で、ガソリンスタンドやその他工場で働いてる場合必須になっている事があります。
また、受験資格など制限がない為、人気があります。とりあえず何か資格でも取ろうと思った時に良く候補で上がる資格でもあります。
で今回紹介するのはその乙4類…ではなく乙3類と言う事で、これから受けられる人の参考になればと思い記事を書いていきます。
危険物乙3類とは
危険物の試験は
- 甲種
- 乙種1〜6種
- 丙種
の計8種類あり甲種が1番難易度が高く丙種が1番難易度が低いです。
甲種は全ての危険物を取り扱う事が出来て、乙種は種類ごとで扱う事が出来る危険物が異なります。丙種は更に危険物が限られているので、大抵は乙種を取得すると思います。
また、乙種以上は無資格者が危険物を取り扱う際には立会いも出来ます。
冒頭でも書きましたが乙4種が1番メジャーで危険物を受験する人の大半は乙4類です。では他の乙類はどーなのかと言うと、実際ほとんど需要がありません。
全くない訳ではないんですが、ほとんど聞いた事もない危険物の名前が沢山出てきます(トリクロロシランなど)なのでその特定の危険物を扱う工場などでは必要な資格ですが、かなり限られてきます。
今回紹介する乙3類を受験する人は基本的には
- 会社で必要だから受験する
- 資格マニアな方が趣味で受験する
- 甲種取得の為受験する
大体、この3点だと思います。ちなみに甲種だけは受験するのには条件があり
- 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
- 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
- 修士・博士の学位を有する者
- 乙種危険物取扱者免状を有する者(条件有)
とありまして、乙種の条件が
- 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験が2年以上の者
- 次の4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者(第1類又は第6類・第2類又は第4類・第3類・第5類)
となります。
自力で甲種に挑む方は他の乙種が必須となります。他の乙種の勉強も甲種には役に立つので勉強しても損ではありません(手間ではありますが)
更に、乙種を1つでも取得していると科目免除されるので実質各種1教科だけ勉強すればいいのです。
初めて乙種の試験を受験する時は
- 危険物に関する法令、15問
- 基礎的な物理学及び基礎的な化学、10問
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法、10問
3教科で合計35問ありますが、1つでも乙種を合格していると法令と化学が免除されます。
つまり、他の乙種を受験する時は「3.危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法、10問」だけしか試験がありません。勉強量もかなり少なく済むので負担は少ないと思います。
しかし、だからと言って特別簡単ではないです。
先程も伝えましたが聞いた事もない危険物の名前も多く、それぞれの特性などをしっかり把握していないと多分落ちます。
なので、この記事を読んでいる人全員に出来るだけ一発で合格して貰いたいと思い最低限覚えなければいけない所を厳選して紹介します。試験前の確認にも活用して下さい。
他の乙類の攻略はこちら
第3類危険物に共通する特性
- 第1類危険物は酸化性固体
- 第2類危険物は可燃性固体
- 第3類危険物は自然発火性物質及び禁水性物質(可燃性の液体または固体であるが、不燃性のものもある)
- 第4類危険物は引火性液体
- 第5類危険物は自己反応性物質(可燃性の固体または液体)
- 第6類危険物は酸化性液体
まず、他の危険物との違いを問われる問題が出る可能性があるので、ここの赤字は全て覚えます。第3類だけめんどくさい説明ですが、気にしないで覚えましょう。
あと、全体的な特徴として
- ほとんどのものが自然発火性と禁水性の両方を有している(黄りんは自然発火のみ、リチウムは禁水性のみ)
- 禁水性物質であっても、空気中の水分と反応して自然発火する事がある
- 全ての第3類の消火に有効なのが乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩による窒息消火
- 禁水性物質の消火は粉末消火剤、黄りんに限り水系の消火剤が使用出来る。
- 容器は密封して冷暗所に貯蔵する
- 貯蔵にあたって、保護液中に保存するものがあるが、露出しないように保護液の減少や温度に注意する
乙3種はあまり共通する特性はないのでここまではすぐ覚えられると思います。
次からは個別の危険物について解説します。
第3類危険物、個別の特性
覚えたほうがいい箇所だけ解説していきます。特に覚えた方が良い所は赤字になっています。
もっと深く知りたい時は参考書などを参考にして下さい。多分そこまで深く覚えなくても合格ラインは問題ないかと思います。
比重の覚え方として
カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、リチウム系(ノルマルブチルリチウム、リチウム、水素化リチウム)は比重が1未満(水より軽い)それ以外は1以上
水と反応して発生するガスは
水素…カリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム
水素はカリウム、ナトリウム、アルカリ金属系、水素化系と覚える
エタン…アルキルアルミニウム(トリエチルアルミニウム)、ジエチル亜鉛
エタンは物質名にカタカナの「エ」が入るものと覚える
ブタン…ノルマルブチルリチウム
ブタンは物質名にカタカナの「ブ」が入るものと覚える
りん化水素…りん化カルシウム
これはこのままりん化はりん化と覚える
メタン…炭化アルミニウム
アセチレン…炭化カルシウム
塩化水素…トリクロロシラン
残り3つは気合で覚える。気合です、気合。
あとは、貯蔵方法ですが
灯油…カリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、バリウム
水中…黄りん
乾燥した場所…りん化カルシウム、トリクロロシラン
他の危険物は大体、不活性ガスを封入する。
不燃性のものは
りん化カルシウム、炭化カルシウム、炭化アルミニウムの3つです。
カルシウム系とアルミニウムは不燃性と覚えましょう。
また、ほとんど固体なので、液体のものを覚えておけば固体か液体かすぐに判断出来ると思います。
覚え方は
「駅で見たあの鳥にはもう会えんのか…」
駅(液体)で見たあ(アルキルアルミニウム)の(ノルマルブチルリチウム)鳥(トリクロロシラン)にはもう会えん(ジエチル亜鉛)のか…
とりあえずここまでは最低限覚えた方がいいです。頑張って下さい。
過去問解説
消防試験研究センターには過去に出題した問題という事で危険物全種の問題が掲載されています。
過去に乙4を受けた人は一度は見た事があると思いますが、そちらのサイトでは解答のみで解説が一切ありません。不親切ですね。
という事で、ここで掲載されている問題を10問解説して行こうと思います。
試験前の確認として参考にしてみて下さい。
危険物の類ごとの燃焼性として、次のA~Eのうち正しいもののみを掲げているものはどれか
A 第1類の危険物は、すべて可燃性である。
B 第2類の危険物は、すべて可燃性である。
C 第4類の危険物は、すべて可燃性である。
D 第5類の危険物は、すべて不燃物である。
E 第6類の危険物は、すべて可燃性である。
すべての第3類の危険物火災の消火方法として、次のうち有効なものはどれか。
1. 噴霧注水する。
2. 二酸化炭素消火を放射する。
3. 泡消火剤を放射する。
4. 乾燥砂で覆う。
5. ハロゲン化物消火剤を放射する。
第3類の危険物の中には、保護液中に貯蔵するものがあるが、その主な理由として、次のうち正しいものはどれか。
1. 昇華を防ぐため
2. 水や空気との接触を避けるため
3. 火気を避けるため
4. 酸素の発生を防ぐため
5. 引火点以下に保つため
ナトリウム火災の消火方法として、次のA~Eのうち、適切なものを組合せたものはどれか。
A 乾燥砂で覆う。
B ハロゲン化物消火剤を放射する。
C 泡消火剤を放射する。
D 二酸化炭素消火剤を放射する。
E 膨張ひる石(バーミキュライト)で覆う。
次のA~Eに掲げる危険物の貯蔵方法として、正しいものの組合せはどれか。
A ジエチル亜鉛・・・水で希釈して貯蔵する。
B 黄リン・・・容器内に乾燥剤を入れて貯蔵する。
C ナトリウム・・・灯油中に貯蔵する。
D 炭化カルシウム・・・水中に貯蔵する。
E 水素化ナトリウム・・・窒素ガスを封入し貯蔵する。
黄リンの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
1. 空気中では、酸化熱が蓄積し自然発火する。
2. 発火点が低い。
3. 融点が低いので燃焼し始めると液状になって広がり、燃焼が激しくなる。
4. 毒性はほとんどない。
5. 淡黄色を帯びたろう状の固体である。
リン化カルシウムの性状について、次のA~Eののうち、正しいものの組合せはどれか。
A 白色の結晶である。
B 乾いた空気中では安定である。
C 非常に強く加熱すると、分解してリン化水素が生成する。
D 酸素や硫黄と高温(300℃以上)で反応する。
E 空気中の水分と接触すると、カルシウムが生成する。
カリウムは通常、保護液中に貯蔵する。その理由として最も適切なものは、次のうちどれか。
1. カリウムは水と反応して直ちに発火し、また空気中に放置すると酸化され自然発火する危険があるため。
2. カリウムは空気と接触すると酸化されて金属光沢を失い、商品価値がなくなるため。
3. カリウムは皮膚に対して腐食性があるので、直接手を触れにくくするため。
4. カリウムはそのまま貯蔵すると風解し、飛散してしまうため。
5. カリウムは保護液と反応して、その表面に科学的に安定な被膜をつくるため。
まとめ
甲種を受験する為に乙種を取ろうと考えた時にこの乙3種の他に乙5種は必ず取らなければなりません(あとは乙1種か6種のどちらか)
次は乙5種の解説もしようと思いますが、乙5種は3種より更に聞いた事のない危険物が出てきます(ジニトロソペンタメチレンテトラミンなど)
なので、個人的に難易度は乙3種<乙5種な感じがします。同時に乙3と乙5種と受験される方は乙5種に重点を置いた方がいいかもしれません。あくまでも個人差ですが。
では今回はこの辺でノシ。乙かれ様でした(激寒)
今回参考にしたのはこの本です。テキストと問題集が一つになっているので分からない事を調べたり練習問題も計40問掲載されています。
あとは王道の過去問もやればほぼ完璧です。頑張って一発合格しましょう!
こちらに危険物甲種攻略記事をまとめていますので、受験される方は参考にしてみて下さい。
今回はこの辺で…
コメント