高圧ガス丙種化学特別 平成24~25年度過去問解説

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どーも、ききです。

今回は高圧ガス丙種化学特別の古い過去問を参考にそちらから初見問題を紹介、解説します。

直近の過去問や各教科の解説などこちらにまとめていますので、参考にして下さい。

高圧ガス丙特関係

高圧ガス丙種化学特別の資格取得に向けた記事をまとめています。

今後受験される方は参考にしてみて下さい。

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平成24年度

先に伝えておきますが、法令に関してはほとんど触れません。

法令に関しては当ブログの別記事でまとめてあるのでそちらをご覧下さい。

法令は大体似たような箇所が出題されているので必要以上に覚える必要はないと思います。

その労力を「保安管理技術」「学識」に注いだ方が良いです。

学識

・一般的に、ポンプの吸込み側の配管平均流速0.5~2.0m/s、吐き出し側の配管平均流速1.0~3.0m/sが経済流速とされる。毎時28m^3の液体を輸送するポンプの吸込み側配管内径と吐き出し側配管内径との組み合わせのうち、経済流速に適合するものはどれか。

吸込み側配管内径(mm)吐き出し側配管内径(mm)
15050
28050
310050
410080
5150100

令和3年の問題でも平均流速が~みたいな問題がありましたが、この問題は「経済流速」という訳の分からない文面が出ています。

まずは解き方の解説をします。

体積流量をq(m^3/h)、配管内径d(m)、平均流速ū(m/s)の関係はこのような式になります。

q=πxd^2xūx3600÷4=900πd^2ū(単位がsなので1時間を秒に換算します)

この式を変形して

ū=q÷900πd^2

この式に上の問題文にある吸込み側と吐き出し側の内径を代入して、それぞれの平均流速を求めるとこちらの表になります。

吸込み側配管平均流速(m/s)吐き出し側配管平均流速(m/s)
14.04.0
21.54.0
30.994.0
40.991.5
50.440.99

問題文の経済流速の範囲は吸込み側0.5~2.0m/s、吐き出し側1.0~3.0m/sとなっています。この範囲に入る正解は(4)です。

解き方が分からないと絶対解けない問題なので、式を変形して代入するこの解き方を覚えておきましょう。

・建屋の窓に2枚の板ガラスと中間間隙部で構成させる二重ガラスを使用する事がある。次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、二重ガラスを通じた熱の移動および断熱効果について正しいものはどれか。

イ、二重ガラスを通じた屋内と屋外との間の熱の移動は、伝導、対流、放射の組み合わせである

ロ、中間間隙部を完全な真空にすれば、二重ガラスを通じた熱の移動をゼロに出来る

ハ、中間間隙部の空気に代えて水を封入すると、断熱効果が上がる

ニ、中間間隙部の厚さを変えずに2枚の板ガラスの厚さを厚くすると、断熱効果が上がる

まず、この問題の「中間間隙部」という言葉が読めないという問題がありますが、これは「ちゅうかんかんげきぶ」と呼び、この問題で問われているガラスとガラスとの隙間を指します(そーやって書いてくれた方が分かりやすいですね

つまり、部屋の窓が二重窓になっていて、その間の空間について問われています。

まず、「イ」はまぁそのままの意味で、普段生活していると伝導、対流、放射の熱移動が起きていますし、「ニ」ですが、これはイメージしやすいと思いますが、そのままの意味で正しいです。

「ロ」の真空状態にすれば熱の移動がゼロになると書かれていますが、真空状態になると伝導と対流による熱の移動はなくなりますが、放射伝熱はゼロに出来ません。したがって誤りです。

「ハ」の空気に代えて水を封入すると、水の熱伝導率は空気より大きいので水に代えると断熱効果は低下します。よって誤りです。

保安管理技術

・次のイ、ロ、ハ、ニの温度計のうち、DCS(分散型制御システム)で温度を表示するために選定されるものとして正しいものはどれか。

イ、放射温度計

ロ、抵抗温度計

ハ、バイメタル式温度計

二、熱電温度計

まず、この問題のDCSってなんぞやって事で

分散制御システム(ぶんさんせいぎょシステム、英語: distributed control system、略称:DCS)は、制御システムの一種で、制御装置が脳のように中心に1つあるのではなく、システムを構成する各機器ごとに制御装置があるもの。制御装置はネットワークで接続され、相互に通信し監視し合う。工場の生産システムなどによく使われる。

引用:Wikipedia-分散制御システム-

イメージ的にアナログな仕様(物理的に動かすものなど)はこのシステムには合わないと思いますので、選択肢を見てみます。

放射温度計・・・放射温度計の一種である赤外線温度計は測定物から出る赤外線の量を測定する。

抵抗温度計・・・金属の電気抵抗が温度の上下により変わる事を利用し測定する

バイメタル式温度計・・・熱膨張率の異なる2種類の金属を貼り合わせたものが温度上昇によって曲がる事を利用し測定する

熱電温度計・・・2種類の導体を接合して回路を作り、この回路の両端の温度差に応じて発生する起電力を利用し測定する。

この中で、バイメタル式だけ温度変更によって金属が曲がる事を利用するとありますが、このDCSはこのような物理的に制御するものでは選定されません。

よって正解は「イ」「ロ」「ニ」です。

平成25年度

学識

下図はベンチュリ流量計の原理図である。次のイ、ロ、ハの記述のうち、この流量計による気体の流量測定の原理について正しいものはどれか。ただし、図の中の記号は次のとおりである。

イ、平均流速u2は圧力差(p1-p2)の平方根に比例する

ロ、圧力p2は、平均流速u2の2乗に比例する

ハ、流面差hは、気体の体積流量が同じであれば気体の密度pによらない

この問題はベンチュリ流量計の体積流量q(m^3/s)の式を覚えておく必要があります。

q(体積流量m^3/s)=αA√2/p(p1-p2)

α=流量計数、A=絞り部の面積(m^2)、p=気体の密度(kg/m^3)、p1-p2=圧力差。

qとu2(平均流速)の関係はq=Au2

市川図書館友の会」のお知らせ - 分からない 15950

まず、「イ」の平方根に比例するという部分ですが、上の式に代入して

u2=q÷A( q=αA√2/p(p1-p2)を代入すると)

u2=α√2/p(p1-p2)

となります。

平方根という事なので、あらかじめルート内にある圧力差の式が変わればそれに比例して平均流速も変わります。よって「イ」は正しいです。

次の「ロ」は「イ」の段階で圧力差(p1-p2)は平均流速u2に比例します。

したがって圧力p2単体では2乗に比例しないので誤りです。

「ハ」はまずU字管圧力計の封液の密度を仮にp´とすると

p1-p2=(p´-p)gh

この式が成り立ちます(測定対象が気体の場合は一般にp´>>pの為、p1-p2=p´gh)

これを最初の式に代入すると

q=αA√2(p´-p)gh/p

となるので、気体の体積流量qが同じであれば、気体の密度pが変化すると液面差hも変化します。

ちょっと難しい説明になったので、とりあえず平均流速と圧力差の関係などは丸暗記しておきましょう。

公式を覚えておけば今回のように代入して求める事も出来るので、余裕があれば覚えておきましょう(無理

・厚さ3cm、外表面積1m^2のウレタンフォーム保冷剤で作られた箱の中の0℃の氷15kgが溶けて0℃の水になるまでの時間はおよそ何時間か。ただし、箱の外面の温度は各面とも30℃、内面の温度は0℃、氷の融解熱は333kJ/kg、保冷剤の熱伝導率は0.025W/(m・K)すなわち90J/(h・m・K)とする。

(1)1.9時間、(2)19時間、(3)56時間、(4)62時間、(5)168時間

この問題は問題文は違いますが、こちらの過去問で解説した問題の解き方+時間換算で解けます。

まず、伝熱速度の公式は

Φ=kA(T1-T2)/L

ここに比例定数kは熱伝導率(0.025)、Aは伝熱面積(1)、Lは厚さ(3)、T1は高温側温度(30)、T2は低温側温度(0)それぞれ代入すると

Φ=0.025x1x(30-0)÷0.03=25W=25J/s=90kJ/h

箱の中の0℃の氷15kgが0℃の水になるのに必要な熱量Qha

Q=15x333=4995kJ

したがって融解する時間は

t=4995÷90=55.5

となるので約56時間、「3」が正解となります。

保安管理技術

・次のバルブ(弁)の断面図a,b,cとバルブ(弁)の名称①、②、③との組み合わせで正しいものはどれか。

この問題も初めて見ましたが、実際に現場でバルブ操作をする人にとっては簡単な問題かもしれません。

まず、ゲート弁とボール弁は画像の通り水の流れが一直線に対して、グローブ弁は弁内部で変わる構造になっているので、圧力の損失はゲート、ボール弁と比較すると大きくなります。

これが分かれば選択肢は(2)か(4)に絞れます。

ボール弁は横に90℃曲げて弁を開けるタイプになっています。ゲート弁は一見グローブ弁と似ていますが、開けた時に逆側が筒抜けになっています。

実際に現物を見ながらだと分かりやすいですが、覚えていたらホームセンターなどで市販されているバルブを少し触ってみるといいかもしれません。

・次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち安全計装について正しいものはどれか。

イ、装置を安全に緊急停止するスイッチを鍵付きスイッチとし、その鍵を金庫で保管した

ロ、重要度、危険度が高いプロセスで使用する計器を冗長化した

ハ、プロセスの異常判断の信頼性を上げるために、単一計器による判断にかえて「2 out of 3」システムを採用した

ニ、警報機の信号線の断線も異常と検出できるように、プロセスが正常の時に回路を常時開放させ、異常を検出した時に回路を閉じるように設計した

先に言いますが、この問題の答えは「ロ」と「ハ」です。

まず、「イ」は論外で金庫で保管したら緊急時に開ける事が出来ないので誤りです。

「二」の記述は逆でプロセスが正常の状態で回路を閉じておき、異常を検出したときに回路を開放します。

この問題で気になったのは「2 out of 3」という言葉です。

調べてみると

「 2 out of 3 」というロジック上の仕掛けは、一般的な産業界の中で厳しい管理レベルを問われるものに対する、データ上の信頼性を高めるものとして採用されているものの一つです。

この場合、計測機器のデータが3つ取られます。その内「多分、3つは同時に計測機器は壊れないだろう。でも1つは壊れている可能性がないとは言えないだろう。とすれば、2つのデータが同じならば、それを信用しようではないか」・・・という考え方なのです。 

引用: 2 out of 3 計測の信頼性-PPM考

主に地震測定や原子炉測定など信用度の高い測定に用いられているもので、より高い信頼性を得る場合に使用します。

今後あまり出題される機会はないかもしれませんが、一応覚えておくといいと思います。

最後に

実はまだ平成26年~28年の問題も控えていますが、ちょっと長くなるので今回はこの辺で終わります。

今後、残りの過去問も解説しますので、しばらくお待ちください。

今回はこの辺で…ノシ

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