高圧ガス丙種化学特別 令和3年過去問初見問題解説

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どーも、ききです。

令和3年度の高圧ガス丙種化学受験された方お疲れ様でした。

お疲れ様ですイラスト/無料イラストなら「イラストAC」

今回は令和3年度の問題の中で、恐らく初見問題であろう問題について解説します。

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令和3年度の傾向は

合格してから1年過ぎましたが、案外覚えているものでまだほとんどの問題解く事が出来ました。

あれだけ勉強したので、嫌でも脳裏に焼き付いていたのかもしれません…

実際に解いてみて感じたのは学識がやや難化傾向にあるかなと感じました(去年もほぼ学識だけ難化してた…

自分は公式のテキストや問題集を持っていないので、受験時は市販の過去問とテキストのみで勉強しました。

もしかしたら公式のテキスト等に詳しい解き方が掲載されているかもしれません。

あくまでも独学で勉強した人間の解説なので、分かりにくい部分もあるかと思います。

その道の専門家ではないのでご了承下さい。

令和2年の初見問題の解説はこちら↓

高圧ガス合格までの道のりはこちらに記載しています↓

ちなみに今回は法令については解説しません。

ほとんど過去問に類似した問題ばかりだったので今回は割愛します。

保安管理技術

問7

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、ターボ形ポンプのキャビテーションの防止として正しいものはどれか。

イ、立軸ポンプを使用し、羽根車を液中に全部浸した。
ロ、ポンプの回転数を下げた。
ハ、吸込み液面を下げた。
ニ、吸込み液面の圧力を上げた。

キャビテーション対策については、当ブログの保安管理技術攻略記事で

  1. ポンプの裾付位置を下げる
  2. 回転数を下げる
  3. 吸込み液面を上げる
  4. 吸込み液面の圧力を上げる

と紹介していますが 「ハ」の吸込み液面を下げたという文面が間違いです。

この「立軸ポンプ」という言葉は初めて見たので紹介しましたが、水に浸すというのは吸込み液面を上げる事と同じ意味合いなので正解です。

ちなみにキャビテーションというものを文面だけだと分かりづらいのでこちらの画像を参考にして下さい。

引用:TACMIYA

こちらの画像は簡単なイメージですが、液体内の圧力低下によって液体が蒸気圧以下になります。それにより液体が蒸発し気泡が発生します。

ポンプ内でこの現象が起きると、管内で破裂音がなりポンプの故障に繋がるので未然に防ぐ必要があります。

問9

次の図は、電気設備の設置箇所の危険箇所区分について、圧縮機室の例を示したものである。イ、ロ、ハ、ニの記述のうち、正しいものはどれか。

イ、区分1は、通常の状態において可燃性ガス蒸気が爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがあることから、第一類危険箇所とした。
ロ、区分2は、通常の状態において圧縮機室内より可燃性ガス蒸気が爆発性雰囲気を生成するおそれが少ないことから、第二類危険箇所とした。
ハ、区分3は、可燃性ガス蒸気による爆発性雰囲気を生成するおそれがない場所であるので、特別危険箇所とした。
ニ、それぞれの区分に応じて、設置する電気機器の防爆構造を選定した。

こちらの画像

引用:高圧ガス保安協会

危険個所についても攻略記事内で

  • 爆発性雰囲気が連続して長時間にわたる場所は特別危険個所
  • 爆発性雰囲気がしばしば発生する場所は第一類危険個所
  • 爆発性雰囲気を生成する恐れが少ないのは第二類危険個所
  • 耐圧防爆構造は内部で爆発しても容器が耐えられる構造
  • 内圧防爆構造は内部を加圧状態にしてガスの侵入を防ぐ

このように解説していますが、文章だけだと分かりずらいです。

この問題は敢えて分かりやすく絵で表しているのでこちらの方が理解しやすいかもしれません。

問題は

イ、区分1は、通常の状態において可燃性ガス蒸気が爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがあることから、第一類危険箇所とした。
ロ、区分2は、通常の状態において圧縮機室内より可燃性ガス蒸気が爆発性雰囲気を生成するおそれが少ないことから、第二類危険箇所とした。
ハ、区分3は、可燃性ガス蒸気による爆発性雰囲気を生成するおそれがない場所であるので、特別危険箇所とした。
ニ、それぞれの区分に応じて、設置する電気機器の防爆構造を選定した。

ぱっと見、区分3は一番安全そうに見えますが、問題では「ハ」の文の後半に特別危険個所と記載があるので間違いです。

イメージ的に危険源から近い順に

特別>第一類>第二類

と覚えておけば問題ありません。

問16

次のイ、ロ、ハの記述のうち、通常運転中に起こりうる異常状態への対応について、正しいものはどれか。
イ、遠心圧縮機でサージングが発生したので、吐出し弁を開いてバイパスコントロールにより風量を増大させた。
ロ、固定床反応器で、触媒を均一に充てんし、局部的な発熱反応が進行してホットスポットを形成しないようにした。
ハ、蒸留を行う棚段塔で、原料中の軽質分が増加し、飛沫同伴(エントレインメント)が発生したので、加熱量を増加させた。

まず「イ」のサージング対策については吐き出しガスを一部大気放出して必要流量を確保する事が正しいですね。

サージングについての解説はこちらの引用を参考にして下さい。

送風機・ポンプ・遠心冷凍機の様に羽根車をもった回転機器に起こり得る現象で、正規量より少ない吐出量の時に、管内圧力・吐出量・回転数・モーター電流などが周期的に変動する一種の不安定現象(異常運転現象)。

引用:荏原製作所

ポンプや圧縮機の空気量が少なくなり、サージングが発生すると激しく振動して運転が出来なくなるので未然に防ぐ必要があります。

上の問題のキャビテーションと共にしっかり覚えておきましょう(嫌

「ロ」のホットスポットは一部分に発熱反応が出る事で、それを分散させる意味で固定床反応器を使用する事は正しいです。

「ハ」の飛沫同伴とは、塔内のガス流速が速い時に、内部のガスに同伴し上へ運ばれる現象を言います。

この現象が起きると蒸留の分離効率の低下に繋がります。

対策としては、蒸発蒸気の上昇速度を遅くするのが一般的で温度を高める事ではありません。

よって間違いは「ハ」ですが、正直ここまでの知識を問われると思いませんでした…

先程も書きましたが、自分は公式のテキストがないのでどこまでの範囲なのか詳しく分かりません。

もし手元にテキストがある人はそちらの解説も良く読んで下さい。

今後、保安管理技術もじわじわ難化するかもしれませんね…

学識

問2

標準状態(0°C、標準大気圧)における酸素の密度はおよそ何 kg/m^3 か。ただし、酸素は理想気体とし、その原子量は 16.0 とする。

さぁ、みんな大好き計算問題の時間です(悪夢

まず、密度を求める前に、充填量を求めるこの方式を使って体積を求めます。

PV=nRT(R=8.3145)覚えてますか?

P=101.3kha(標準大気圧)、n=1(充填量は1とします)、T=273(273+0)

それぞれ代入します。

101.3V=1×8.3145×273

V=22.4

となります。

次に密度の公式は

密度=質量÷体積

酸素の分子量は32(16×2)なので、それが質量となります。

したがって

密度=32÷22.4=1.429

となります。

この解き方は覚えておくと便利ですが、酸素の密度は大体1.4くらいって暗記しておけばこんな面倒な計算する必要ありません。

ただでさえ暗記まみれなので苦痛ですが、頭の片隅にでも入れておくといいかもしれません。

問8

イ、爆発とは、圧力が急激に発生するかまたは解放されることによって、大きな音とともにガスが激しく膨張する現象である。
ロ、燃焼するガスを可燃性ガスと呼び、酸素のように自らは燃焼せずに可燃性ガスの燃焼を支える働きをするガスを不活性ガスと呼んでいる。
ハ、蒸気雲爆発は化学的な爆発であり、水蒸気爆発は物理的な爆発である。

「イ」はそのままの意味なので、割愛します。

「ロ」の酸素は燃焼を支える支燃性ガスです。危険物の免許を持ってる方なら馴染みのある言葉ですね。

最後の「ハ」の化学的物理的という言葉は初めて見ました。

ググって見るとこのような解説がありました。

爆発には,気体や液体の膨張,相変化などの物理過程が圧力の発生源になる物理的爆発と,物質の分解,燃焼などの化学過程により圧力が上昇する化学的爆発がある。

引用:コトバンク-物理的爆発-

外部サイト様ですが、こちらの記事が非常に分かりやすく物理的化学的爆発について解説していました。良ければこちらもご覧下さい(丸投げ

高圧ガスの基礎知識(第7回) | 安心とくしま

問12

内径 200 mm の鋼管内を、流体が 2.0 m^3/min の流量で流れているときの平均流速はおよそ何 m/s か

平均流速を求める公式は

平均流速=体積当たりの流量÷断面積

まずは、内径から断面積を求めます。

断面積の公式は

断面積=半径×半径×3.14

次に内径から半径を求める時は純粋に半分にします(この問題の場合200mmの半分100mmが半径となります)

断面積=0.1(mmをmに直す)×0.1×3.14=0.0314

平均流速=2÷0.0314=63.69

勉強しすぎの子供のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

ここで選択肢を見てみます。

(1) 0.018 m/s (2) 0.070 m/s (3) 0.53 m/s (4) 1.1 m/s (5) 4.3 m/s

単位がminからsになっているので、この値から更に60で割ります。

63.69÷60=1.06…

四捨五入して1.1って事で4が正解です。

最後のこの問題ですが…そもそも平均流速を求める問題なんて過去にあったのでしょうか…?

難化してるというか、相変わらず出題範囲が良く分からない…

今回紹介した公式は一通り覚えておくと問題を解く時に役に立ちます。

ただでさえ覚える事が多いですが、1日1公式ずつくらいのペースでゆっくり学習していきましょう。

最後に

今年も中々癖が強い問題が多数ありましたが、しっかり過去問を理解するまで学習すれば合格出来るレベルだったのかなと思います(多分

また、

この問題も解説して欲しいでやんす

おぅ、この問題ここ間違ってるんじゃねーのかコラ

などお気軽にコメントをして下さい(応援メッセージは泣いて喜びます

当ブログの他記事では過去問や市販のテキストをベースに重要点をまとめているので、今後また受験される方は参考にしてみて下さい。

今回はこの辺で…ウボァ

コメント

  1. miko より:

    この度高圧ガス丙種化学特別を受験しました。自分が分からなかった問題がピンポイントで解説されており非常に勉強になりました。自己採点した結果恐らく合格していますが、kiki様の他の記事も非常に面白く分かりやすく解説されていて参考になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

    • kiki kiki より:

      miko様
      ブログ閲覧ありがとうございました。まだ合格発表まで時間はありますが、ひとまずおめでとうございます!お役に立てて良かったです。
      他にも色んな資格について攻略記事を書いてるので、もし今後受ける資格があればそちらも是非参考にしてみて下さい。

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