どーも、ききです。
今回は、日商簿記3級の仕訳問題20問を出題します。
最低限の知識がある事を前提に、本試験レベルのちょっとめんどくさい系の問題を中心に出題します。
そのため、全く分からない人は、一度テキストなど確認して簿記3級レベルの仕訳をある程度把握してから是非挑戦してみて下さい。
全体的に頭の中で計算するのが難しめな問題が多いので、出来れば紙と電卓、筆記用具など準備してから始めて下さい。
ちなみに解説にはいちいち「借方」や「貸方」は記載していません。
「/」で区切っているので、左側が借方、右側が貸方となっているのでご確認下さい。
仕訳問題20問
問題文の下の「正解はこちら」をクリックすると解答と解説が表示されます。
①商品1500円を仕入れ、消費税(150円)も含め掛けとした。また、この引取費用100円(当社負担)は現金で支払った。
正解はこちら
仕入1,600、仮払消費税150/買掛金1,650、現金100
当社負担の仕入諸掛は仕入原価に含めます。
②商品を1,000円を売り上げ、消費税(100円)を含め合計額とし、以前当社が振出した小切手500円を受取り、残りを掛けとした。
正解はこちら
当座預金500、売掛金600/売上1,000、仮受消費税100
この問題のポイントは当社が振り出した小切手を受け取ってる事で、他社振り出し小切手は現金扱いですが、当社振り出し小切手の場合、当座預金で処理しているので、そのままこちらに帰ってきた事になります。
③商売を始めるにあたり土地1,000円を購入し、仲介手数料100円と土地の整地費用100円を含めた代金のうち、500円は現金で払い、残りは月末に支払う事とした。
正解はこちら
土地1,200/現金500、未払金700
土地などは有形固定資産扱いなので、手数料などの付随費用は取得原価に含めます。
また、この土地を利用して商売しますが、土地自体は売り物ではないので、買掛金ではなく未払金で仕訳をします。
④建物の改修工事を行い、代金1,000円のうち、500円は小切手を振り出して支払い、残額は月末に支払うこととした。このうち、600円は耐用年数を延長させるための支出であり、残りは建物の外壁修繕のための支出である。
正解はこちら
建物600、修繕費400/当座預金500、未払金500
耐用年数の延長など、その価値を増加させる支出を資本的支出と呼び、建物勘定となります。
また、直したり機能を維持するための支出を収益的支出と呼び、修繕費勘定で処理します。
⑤2年8月1日に取得した備品(取得原価600,000円、残存価額ゼロ、耐用年数5年、間接法で記帳)を、5年5月31日に200,000円で売却し、売却代金は月末に受け取ることにした(当社の決算日は6年3月31日であり、取得年度および売却年度の減価償却費は月割りで計算する。なお、当期の減価償却費は減価償却累計額を経由せずに直接計上すること)
正解はこちら
減価償却累計額320,000、減価償却費20,000、未収入金200,000、固定資産売却損60,000/備品600,000
まず1ヶ月分の減価償却費を計算すると
600,000÷5÷12=10,000円となり、2年は8ヶ月分なので80,000円。
3、4年度分が120,000円ずつとなるので、全て足した
80,000+120,000+120,000=340,000円が減価償却累計額となります。
当期は2ヶ月分の20,000円が減価償却費となり、未収入金200,000円を足した差額が固定資産売却損になります。
⑥A社が倒産し、同社に対する売掛金のうち前期発生分500円と当期発生分1,000円の合計1,500円が貸倒れとなった。なお、貸倒引当金の残高は300円であった。
正解はこちら
貸倒引当金300、貸倒損失1,200/売掛金1,500
貸倒引当金は前期末に売掛金に対して設定するものなので、貸倒引当金残高があればこの金額で処理をして、足りない場合は貸倒損失として処理します。
また、当期発生分には貸倒引当金は該当しないので仮に残高が残っていても全額貸倒損失に含めていきます。
⑦前期に貸し倒れ処理していたB社に対する売掛金2,000円のうち1,000円が回収され、当社の普通預金口座に振り込まれた。なお、貸倒引当金の残高は1,000円である。
正解はこちら
普通預金1,000/償却債権取立益1,000
前期に貸し倒れ処理をした売掛金は前期のうちに処理をしているので、当期は償却債権取立益として処理します。
ちなみにこの手の問題で貸倒引当金が記載されてる場合がありますが、それは引っ掛けなので無視して下さい。
⑧前期末の決算において貯蔵品の棚卸しを行ったところ、収入印紙1,000円と郵便切手500円が未使用のまま残っていることが判明したため、適切な勘定に振り替えた。また、当期首において再振替仕訳を行う。
正解はこちら
租税公課1,000、通信費500/貯蔵品1,500
【適切な勘定に振り替えた】ここまでは借方に貯蔵品、貸方に租税公課と通信費を記入しますが、期をまたいで再振替仕訳を行う際は再度逆仕訳を行います。
基本的にどの問題もそうですが、問題文の一文で解答が逆になる場合があるので、しっかり問題文を読んで小さいミスを無くしましょう。
⑨新しい店の賃貸契約を結び、1ヶ月分の家賃2ヶ月分と不動産会社への仲介手数料1,000円、及び敷金1,000円を現金で支払った。
正解はこちら
支払家賃2,000、支払手数料1,000、差入保証金1,000/現金4,000
敷金は差入保証金という勘定科目を使用します。
ちなみに契約を終了する場合、この敷金は返ってきますが、壊れたりして直す箇所が発生した時に修繕費として敷金を使用するので、別に仕訳します。
⑩従業員が出張から戻り、旅費の残額1,000円と得意先から回収した売掛金500円を現金で受け取った。なお、従業員の出張にあたって、事前に旅費の概算額として1,700円を現金で手渡していた。
正解はこちら
現金1,500、旅費交通費700/仮払金1,700円、売掛金500
受け取った現金の合計が
1,000+500=1,500円となり、事前に渡した仮払金から旅費の残金を引いた
1,700-1,000=700円が旅費交通費となります。
貸方は仮払金と売掛金をそれぞれ記入すれば大丈夫です。
⑪従業員への給料の支払いにあたり、給料総額1,000円から、従業員が負担すべき社会保険料200円と所得税の源泉徴収分200円を差し引き、手取額を当座預金口座から従業員の普通預金口座へ振り込んだ。
正解はこちら
給料1,000/社会保険料預り金200、所得税預り金200、当座預金600
貸方は社会保険料と所得税の分を差し引いた残額を当座預金から振り込むだけですが、当座預金から普通預金に振り込むと記載があると勘違いして普通預金600と間違えやすいです。
自分もこのような簡単なミスが多かったので、注意して確実に点数を取れるようにしましょう。
⑫決算において、売上原価を算定する。期首商品棚卸高は1,000円、当期商品仕入高は1,200円期末商品棚卸高は1,500円であった。なお、売上原価は売上原価勘定で算定すること。
正解はこちら
売上原価1,000、売上原価1,200、繰越商品1,500/繰越商品1,000、仕入1,200、売上原価1,500
売上原価を算出する問題ですが、大抵は仕入勘定で求める事が大半なので「しーくりくりしー」だけ覚えてる人は要注意です。
売上原価勘定は「うりくりうりしーくりうり」です。覚えにくいですね。なので私自作の語呂合わせを覚えます。
「浮く牛食う」
う→売上原価、く→繰越商品、う→売上原価、し→仕入、く→繰越商品、う→売上原価
余計覚えにくいかもしれませんが、飛んでいる牛をイメージして下さい(投げやり
⑬決算において、保険料の前払いを適切に処理する。会計期間は4月1日から3月31日までの1年間で、毎年10月1日にかねてより保有している建物にかかる向こう1年分の保険料を支払っている。なお、決算整理前残高試算表の保険料の総額は1,800円である。
正解はこちら
前払保険料600/保険料600
毎年払っているとの事なので、既に去年4月から9月までの支払い分が計上された上で、更に今年度分を支払っています。
したがって、4月〜9月の6ヶ月分と今年度分の12ヶ月分の計18ヶ月分を総額で割ると1ヶ月分の保険料は100円と分かります。
その上で、決算をまたぐ6ヶ月分は前払保険料として仕訳を行います。
パッと問題文を見て12ヶ月で割る事と間違いとなるので、ある意味引っ掛け問題かもしれませんが、問題文の「毎年」という部分に注意して下さい。
⑭損益勘定によると、当期の収益総額は400円費用総額は600円であった。この差額を繰越利益剰余金勘定へ振り替える。
正解はこちら
繰越利益剰余金200/損益200
この手の問題は収益の方が大きく利益が出ている場合が多いですが、この問題は費用の方が大きいので損失となります。
そのため、仕訳は借方に繰越利益剰余金を仕訳します。
⑮株主総会において、繰越利益剰余金1,000円うち、配当および処分が次のとおり承認された。株主配当金100円、利益準備金の積み立て10円。
正解はこちら
繰越利益剰余金110/未払配当金100、利益準備金10
繰越利益剰余金の中から未払配当金と利益準備金を仕訳します。
決して繰越利益剰余金が残るからと全額計算しないようにして下さい(利益がなくなります
⑯決算にあたり、消費税の納付額を計算しこれを確定した。なお、当期の消費税仮払分は500円消費税仮受分は1,000円となり、消費税は税抜方式で記帳処理している。
正解はこちら
仮受消費税1,000/仮払消費税500、未払消費税500
仮受消費税と仮払消費税を相殺して、差額を未払消費税にします。
この問題は、簿記3級の最後の問題で出題される可能性が高いのでしっかり押さえておきましょう。
⑰決算において、税引前当期純利益3,000円の30%を法人税等に計上した。なお、当社はすでに500円を中間納付しており、仮払法人税等で処理している。
正解はこちら
法人税等900/仮払法人税等500、未払法人税等400
当期純利益から今年度の法人税等900円を算出して、貸方にて仮払法人税等の差額を未払法人税等に仕訳します。
この問題も第3問で出題頻度が高いので、間違えないようしっかり押さえましょう。
⑱決算日につき、当期分の利息を未払処理する。10月1日に銀行から、借入期間1年、年利1%、利息は返済時に支払うという条件で現金12,000円を借り入れている(当期4月1日〜翌年3月31日)
正解はこちら
支払利息60/未払利息60
12,000円の1%なので、1年での利息は120円。そのうち、6ヶ月分は当期分の未払利息となります。
未払未収と前受前払に苦手意識がある方は多いと思いますが、未系はそのまま仕訳し前系は逆仕訳になると押さえておきましょう(余計分かりにくい
⑲買掛金1,200円を現金で支払ったさいに、誤って2,100円で仕訳していたことが判明したので、本日、この仕訳を訂正する。
正解はこちら
現金900/買掛金900
金額を間違えて仕訳した時は、金額が大→小の場合差額をそのまま追加して仕訳し、金額が小→大の場合、逆仕訳をして相殺して金額を合わせます。
また、科目を間違えた場合は誤った科目を逆に仕訳して相殺し、正しい科目を正しい場所に仕訳します。
⑳営業用の店舗の固定資産税1,000円と自動車税300円のうち、普通預金から500円と現金で800円納付した。
正解はこちら
租税公課1,300/普通預金500、現金800
固定資産税や自動車税は租税公課にまとめて勘定します。
選択肢に固定資産税とかある場合があるので、騙されないようにして下さい。
まとめ
今回出題した問題は、ほぼ本試験レベルの問題でやや難しく感じるかもしれませんが、試験前の力試しには最適かと思うので、こちらのページをブックマークして最後の確認に利用して下さい。
ほぼ全ての問題に一手間加えてめんどくさい系に仕上げた(つもり)なので、全て正解出来れば合格率は高いでしょう。多分。
簿記3級は仕訳が全てと言ってもいいくらい仕訳が出来ないと全く歯が立ちません。
逆に仕訳を完璧に出来れば、簿記3級はそれほど怖い資格ではありません!
また、自分が受験した時に使用したテキストをこちらに紹介します。
簿記受験者に人気のテキストで、非常に分かりやすい内容となっているので、全く分からない人でも理解しやすいと思います。まだテキストをお持ちでない方はこちらも検討してみて下さい。
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今回はこの辺で…
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