高圧ガス丙種化学特別 令和7年度保安管理技術過去問解説

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どーも、ききです。

今回は前回に引き続き「高圧ガス丙種化学特別」試験の保安管理技術科目の過去問解説をします。

学識に次いで難易度が高い科目ですが、主に暗記が中心となるので、内容を忘れないように試験前にしっかり確認しておく事が重要となります。

その他高圧ガスに関する記事はこちらからどうぞ。

高圧ガス丙特関係
高圧ガス丙種化学特別の試験内容をまとめています。受験される方は参考にしてみてください。

全ての科目を網羅しているので、試験には多少は役に立つと思います。

ではいくゾ。

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過去問解説

問1

次のイ、ロ、ハの記述のうち、金属材料の用途について正しいものはどれか。

イ.炭素鋼は、低温脆性を起こさず、極低温機器材料として用いられる。
ロ.銅は、熱の良伝導体であり、加工性がよく、熱交換器用管材などに用いられる。
ハ.鋳造品である鋳鋼は、溶鋼を鋳型に注入して造られ、バルブやポンプなどに用いられる。

(1) イ (2) ロ (3) ハ (4) イ、ロ (5) ロ、ハ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の炭素鋼は低温になると低温脆性を起こしやすいため、極低温機器の材料には適していません。

極低温で使用する材料としては、例えばオーステナイト系ステンレス鋼などが用いられます。

「ロ」の記述は正しいです。

銅は、

  • 熱伝導性が非常に良い
  • 電気伝導性が良い
  • 加工性が良い

という特徴があります。

「ハ」の記述も正しいです。

鋳鋼(ちゅうこう)は、溶かした鋼を鋳型に流し込んで製造したものです。

複雑な形状の製品を作りやすいため、

  • バルブ
  • ポンプ
  • 各種機械部品

などに利用されます。

したがって答えは⑤となります。

問2

次の防食法イ、ロ、ハと直線で結んだその代表例a、b、cの組合せとして、正しいものはどれ
か。

(防食法) (代表例)
イ.有機被覆 a.外部電源法
ロ.金属被覆 b.亜鉛めっき
ハ.電気防食 c.塗装

引用:高圧ガス保安協会

それぞれの防食法は

  • イ.有機被覆 → c.塗装
    • 金属表面を塗料などの有機物で覆い、腐食性物質や水・酸素との接触を防ぎます。
  • ロ.金属被覆 → b.亜鉛めっき
    • 金属表面を別の金属で覆う方法です。
    • 代表例が亜鉛めっきです。
  • ハ.電気防食 → a.外部電源法
    • 外部から電流を流して金属を腐食しにくい状態にする方法です。

したがって答えは③となります。

問3

次のイ、ロ、ハの記述のうち、溶接について正しいものはどれか。

イ.被覆アーク溶接棒は、被覆剤が乾燥して剥離しないよう湿度が十分に保たれた保管庫で保存する必要がある。
ロ.溶接作業管理では、溶接材料、開先部、予熱、溶接姿勢などの確認に加え、気温、湿度、風速などの気象条件についても確認が必要である。
ハ.溶接部は、溶接による急熱急冷によって収縮、変形が生じる。主なものとして、横収縮、縦収縮、縦曲がり変形などが挙げられる。

(1) イ (2) ロ (3) ハ (4) イ、ロ (5) ロ、ハ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の被覆アーク溶接棒は、被覆剤が湿気を吸収しないように乾燥状態を保って保管する必要があります。したがって誤りです。

「ロ」の記述は正しいです。

溶接作業の管理では、

  • 溶接材料
  • 開先部
  • 予熱
  • 溶接姿勢
  • 気温
  • 湿度
  • 風速

などを確認します。

特に屋外溶接では、風速や湿度などの気象条件が溶接品質に影響するため重要です。

「ハ」の記述も正しいです。

溶接では、溶接部が急熱・急冷されることで熱収縮が起こり、溶接部やその周辺に変形が生じます。

代表的な変形として、

  • 横収縮
  • 縦収縮
  • 縦曲がり変形

などがあります。

したがって答えは⑤となります。

問4

次のイ、ロ、ハ、ニの非破壊試験のうち、オーステナイト系ステンレス鋼製圧力容器の開放検査において、表面欠陥を検出する試験法として適しているものはどれか。
イ.放射線透過試験
ロ.染色浸透探傷試験
ハ.磁気探傷試験(磁粉探傷試験)
ニ.アコースティック・エミッション試験

(1) ロ (2) ハ (3) ロ、ハ (4) イ、ロ、ニ (5) イ、ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

この問題のポイントは、「オーステナイト系ステンレス鋼」には磁気探傷試験が使えないことです。

「イ」の放射線透過試験(RT)は、主に内部の欠陥を検出する方法なので不適切です。

「ハ」の磁気探傷試験は、強磁性体に磁界を作用させて、表面や表面近傍の欠陥を検出する方法です。

しかし、オーステナイト系ステンレス鋼は非磁性材料なので、通常の磁粉探傷試験には適しません。

「二」のAE試験は、材料内部で発生する微小な弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、き裂の進展などを評価する方法です。

表面開口欠陥を直接検出する今回の目的には適していません。

したがって答えは①です。

この問題はショート動画でも解説しています。

問5

次のイ、ロ、ハの記述のうち、バルブ、ガスケットおよび配管について正しいものはどれか。
イ.仕切弁(ゲート弁)は、玉形弁(グローブ弁)と比較して全開時の圧力損失は大きいが、流量および圧力の調整が可能である。
ロ.高圧系に使用するリングジョイント形フランジには、オーバル形やオクタゴナル形の金属リングガスケットが使用される。
ハ.圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)では、スケジュール番号が大きくなるに従い肉厚が増加する。そのため、同一呼び径の配管ではその分だけ外径が増加する。

(1) イ (2) ロ (3) ハ (4) イ、ハ (5) ロ、ハ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の仕切弁(ゲート弁)は、全開時には流路がほぼ直線になるため、圧力損失が小さいのが特徴です。

一方、玉形弁(グローブ弁)は流体が弁内部で方向を変えるため、仕切弁より圧力損失が大きくなります

また、仕切弁は基本的に全開・全閉で使用する弁で、流量調整には適していません。

「ロ」の記述は正しいです。

リングジョイント形フランジでは、金属製のリングガスケットを使用します。

代表的な形状が、

  • オーバル形
  • オクタゴナル形

です。

「ハ」のSTPG(圧力配管用炭素鋼鋼管)では、スケジュール番号(Sch)が大きくなるほど肉厚が厚くなります。

呼び径が同じ場合、スケジュール番号が変わっても外径は基本的に同じで、肉厚が増加する分、内径が小さくなります。

したがって答えは②となります。

問6

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、安全計装について正しいものはどれか。
イ.フール・プルーフとは、人為的に不適切な操作や過失を犯さないよう機器に対して配慮することと、仮に操作ミスを犯しても機器の安全性を保持することをいう。
ロ.インターロックシステムとは、機器を起動する際、人が起動条件をチェックシートに従いチェックする仕組みである。
ハ.待機冗長とは、機器が故障した場合、その機器に代わる機器を待機側から運転側に切り替える方式のことをいう。
ニ.警報システムとは、温度、圧力、液位といったプロセスの値が正常値からはずれたり、設備機器が故障したときにブザー、ベルを鳴らしたり、警報ランプを点灯させたりして、オペレータに注意を喚起するシステムのことをいう。

(1) イ (2) イ、ロ (3) ハ、ニ (4) イ、ハ、ニ (5) ロ、ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

フール・プルーフ(fool proof)とは、

  • 人が誤った操作をしにくいようにする
  • 万一、誤操作しても安全な状態が維持されるようにする

という考え方です。

例えば、誤った順序では機器を操作できないようにするなどが該当します。

「ロ」のインターロックシステムとは、単に人がチェックシートを見ながら起動条件を確認する仕組みではありません。

あらかじめ設定された条件が満たされない場合、機器を起動できないようにするなど、機器同士を連動させて安全を確保する仕組みです。

「ハ」の記述は正しいです。

待機冗長とは、複数の機器を用意し、通常は一方を運転させ、もう一方を待機状態にしておく方式です。

「二」の記述も正しいです。

警報システムは、プロセスの状態が正常範囲から外れたり、設備・機器に異常が発生した場合に、

  • ブザー
  • ベル
  • 警報ランプ

などによってオペレータに注意を喚起するシステムです。

したがって答えは④となります。

問7

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、往復圧縮機の容量調整方法について正しいものはどれか。
イ.速度制御方式では、駆動機の回転数を変えて容量を調整する。
ロ.クリアランス弁方式では、シリンダに設けたクリアランスボックスから吸込み側にガスを戻して、吐出し量を減少させる。
ハ.吸込み弁アンローダ方式では、吸込み側に設けた案内羽根の角度を変えて吸込み圧力を低下させることで、吐出し量を減少させる。
ニ.バイパス方式では、中間段または最終段よりバイパス弁を通じて圧縮した気体を吸込み側へ戻す。

(1) イ、ロ (2) イ、ハ (3) イ、ニ (4) ロ、ハ (5) ロ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

速度制御方式は、駆動機の回転数を変化させることで、圧縮機の容量(吐出し量)を調整する方式です。

回転数を下げれば、単位時間あたりの圧縮回数が減るため、吐出し量も減少します。

「ロ」のクリアランス弁方式では、シリンダに設けたクリアランス(余裕容積)を増加させることで、吐出し量を減少させます。

ポイントは、クリアランスボックス内のガスが吸込み側に戻るのではないこと。

クリアランスを大きくすると、圧縮行程後にシリンダ内に残るガスが増え、次の吸込み行程で新たに吸い込めるガス量が減少します。

「ハ」の吸込み弁アンローダ方式は、吸込み弁を開いたままにするなどして、圧縮作用を行わせないことで吐出し量を調整する方式です。

往復圧縮機の吸込み弁アンローダ方式の説明ではありません。

「二」の記述は正しいです。

バイパス方式では、圧縮した気体の一部をバイパス弁を通して吸込み側へ戻すことで、実質的な吐出し量を減少させます。

多段圧縮機では、

中間段または最終段 → バイパス → 吸込み側

という流れになります。

したがって答えは③となります。

問8

次のイ、ロ、ハの記述のうち、静電気による可燃性ガスの発火防止を考慮した操作として正しいものはどれか。
イ.貯槽内での作業の準備として、水張り用ノズルに導電性ホースを接続して揺動しないよう静かに水張りし、残留可燃性ガスをパージした。
ロ.可燃性液体を貯槽からタンクローリに充塡するとき、タンクローリを接地しなかった。
ハ.配管のボンディングのため、フランジの間を絶縁性の高い合成樹脂製の結束バンドで結んで絶縁性を高めた。

(1) イ (2) ロ (3) ハ (4) イ、ロ (5) イ、ハ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

貯槽内で作業する前に、残留している可燃性ガスをパージするのは重要です。

さらに、

  • 導電性ホースを使用
  • 水を静かに注入
  • ホースを揺動させない

ことで、流動や飛散による静電気の発生を抑制できます。

そして残留可燃性ガスをパージして、可燃性ガスと空気の混合による発火・爆発の危険を低減します。

「ロ」の可燃性液体をタンクローリへ充塡する場合、タンクローリは確実に接地する必要があります

接地しないと、充塡によって発生した静電気がタンクローリに蓄積し、放電時の火花によって可燃性ガスなどに着火する危険があります。

「ハ」のボンディングとは、配管などを電気的に接続して電位差をなくし、静電気を逃がすためのものです。

絶縁性の高い合成樹脂製の結束バンドではボンディングの目的を果たせません。

したがって答えは①となります。

問9

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、動的機器の軸封装置について正しいものはどれか。
イ.無給油式空気圧縮機の軸封部のパッキン摩耗防止のため、軸封部に注油した。
ロ.毒性ガス用の遠心圧縮機の軸封装置として、ラビリンスシールを選定した。
ハ.毒性液体用の遠心ポンプの軸封装置として、メカニカルシールを選定した。
ニ.水用の遠心ポンプの軸封装置として、グランドパッキンを選定した。

(1) イ、ロ (2) ロ、ニ (3) ハ、ニ (4) イ、ロ、ハ (5) イ、ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の無給油式空気圧縮機では、軸封部のパッキンなどに油が入らないようにすることが重要です。

「パッキン摩耗防止のために注油する」とすると、圧縮ガス側への油の混入などにつながるため、無給油式の目的に反します。

「ロ」のラビリンスシールは、軸とシールの間に迷路状のすき間を設け、流体の漏れを抑える方式です。

ただし、完全な漏れ止めにはならず、微小な漏れを許容する構造です。

そのため、漏洩すると危険な毒性ガス用の圧縮機の軸封装置としては適切ではありません。

「ハ」の記述は正しいです。

毒性液体を扱う遠心ポンプでは、外部への漏洩を防ぐことが非常に重要です。

メカニカルシールは、回転する軸と固定部の間を密封し、液体の漏洩を抑えるのに適しています。

「二」の記述も正しいです。

水用の遠心ポンプでは、グランドパッキンが一般的な軸封装置として使用されます。

グランドパッキンは構造が比較的簡単で、軸周りからの水の漏れを適切に管理できます。

したがって答えは③となります。

問10

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、安全装置について正しいものはどれか。

イ.多段往復圧縮機の安全装置として、圧力の異なる各段に、それぞれ適切な圧力で作動する安全弁を取り付けた。
ロ.破裂板(ラプチャディスク)は構造が簡単で、作動しても装置内の圧力が下がれば自動的に復元して、流体の放出が止まる。
ハ.ばね式安全弁の入口配管は、異物により安全弁の作動を妨げないよう、取り付ける配管の上側から取り出した。
ニ.大気圧付近で取り扱われる低温の可燃性液化ガス貯槽に、圧力上昇による破壊を防止するため、真空安全弁を取り付けた。

(1) イ、ロ (2) イ、ハ (3) ロ、ハ (4) ロ、ニ (5) ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

多段往復圧縮機では、各段で圧力が異なります。

そのため、それぞれの段に対して、その段の圧力に適した設定圧力の安全弁を設置する必要があります。

「ロ」の破裂板(ラプチャディスク)は、設定された圧力に達すると破裂して圧力を逃がす安全装置です。

一度破裂すると、自動的に元の状態へ復元することはありません。

つまり、破裂板は非復帰式の安全装置です。

破裂後は交換が必要になります。

「ハ」の記述は正しいです。

ばね式安全弁の入口配管に異物などがたまると、安全弁の作動に支障をきたす可能性があります。

そのため、配管からの取り出し位置は、異物やドレンなどが安全弁側に入り込みにくいよう、配管の上側から取り出すのが適切です。

「二」の真空安全弁は、貯槽内部が負圧(真空状態)になることを防ぐためのものです。

つまり、

内圧低下 → 真空安全弁

圧力上昇を防止するのは安全弁などの圧力逃し装置です。

したがって答えは②となります。


やっと半分…

ちょっと休憩しながらいきましょう。

問11

次のイ、ロ、ハの記述のうち、可燃性ガスなどの製造施設に対する防消火設備について正しいものはどれか。

イ.水噴霧装置は、対象設備に対して固定された噴霧ノズル付き配管により水を噴霧する装置で、防火設備である。
ロ.散水装置は、対象設備に対して固定された孔あき配管または散水ノズル付き配管により散水する装置で、消火設備である。
ハ.粉末消火器は、可搬式または動力車搭載の消火薬剤を放射する設備で、防火設備である。

(1) イ (2) ロ (3) ハ (4) イ、ロ (5) イ、ハ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の水噴霧装置は、対象設備に固定した噴霧ノズル付き配管から水を噴霧して、設備を冷却したり火災の拡大を防いだりする設備です。

これは防火設備に分類されます。

「ロ」の散水装置は、対象設備に固定した孔あき配管または散水ノズル付き配管から散水する設備です。

散水装置は消火設備ではなく防火設備となります。

「ハ」の粉末消火器は、可搬式または動力車搭載の消火設備で、粉末消火剤を放射して消火します。

粉末消火器は防火設備ではなく消火設備となります。

したがって答えは①となります。

問12

次のガス漏えい検知警報設備に用いられる検知部の方式イ、ロ、ハと直線で結んだ測定原理
a、b、cとの組合せとして、正しいものはどれか。

(検知部の方式) (測定原理)
イ.半導体式(セラミック式) a.白金線コイルの電気抵抗値の変化
ロ.接触燃焼式 b.金属酸化物の電気抵抗値の変化
ハ.ガルバニ電池式 c.溶存酸素濃度の変化による電池の出力の変化

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の半導体式は、ガスが接触することで金属酸化物の電気抵抗値が変化する性質を利用して検知します。

「ロ」の接触燃焼式は、触媒上で可燃性ガスを燃焼させ、そのときに発生する熱によって白金線コイルの電気抵抗値が変化することを利用します。

「ハ」のガルバニ電池式は、電解液中の溶存酸素濃度の変化などによって電池の出力が変化する原理を利用します。

したがって答えは③となります。

問13

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、流動・流出および拡散防止装置と障壁について正しいものはどれか。
イ.ガス爆発が発生した場合、あらかじめ障壁を設けておくことによって、衝撃などによる被害を軽減することができる。
ロ.貯槽内の液化ガスが液体の状態で漏えいした場合、他へ流出することを防止するのがスチームカーテンである。
ハ.漏えいした可燃性ガスが、火源となる加熱炉へ流入することを防止するのが防液堤である。
ニ.漏えいした可燃性ガスが、火気を取り扱う施設に流動することを防止するのが防火壁である。

(1) イ、ロ (2) イ、ハ (3) イ、ニ (4) ロ、ハ (5) ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

障壁は、ガス爆発などが発生した際に、爆風や衝撃などによる被害の拡大を防止・軽減するために設けられます。

「ロ」のスチームカーテンは、蒸気を噴出して可燃性ガスなどの流動・拡散を防止するためのものです。

一方、液化ガスが液体の状態で漏えいした場合に、液体が他へ流出するのを防ぐのは、防液提です。

「ハ」の防液堤は、漏えいした液体が周囲へ流出するのを防ぐ設備です。

ガスではありません。

「二」の記述は正しいです。

防火壁は、漏えいした可燃性ガスなどが火気を取り扱う施設へ流動することを防止するために設けられます。

したがって答えは③となります。

問14

次のイ、ロ、ハの記述のうち、ベントスタックおよびフレアースタックについて正しいものはどれか。
イ.異常時に設備内のガスを燃焼させてから大気に放出するようにした設備を、ベントスタックという。
ロ.アンモニアを放出する場合、フレアースタックで安全に燃焼させた。
ハ.フレアースタックを設置する場合、その周辺設備や人に放射熱による損傷を与えないように考慮しなければならない。

(1) イ (2) ロ (3) ハ (4) イ、ロ (5) ロ、ハ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の異常時などに設備内のガスを燃焼させてから大気へ放出する設備は、ベントスタックではなく、フレアースタックです。

「ロ」のアンモニアは不燃性ガスなので、フレアースタックで燃焼処理することはできません。

フレアースタックは、主に可燃性ガスを燃焼させて安全に処理するために使用されます。

「ハ」の記述は正しいです。

フレアースタックでは、ガスを燃焼させるため、周辺には高温の火炎と放射熱が発生します。

そのため、

  • 周辺設備への熱影響
  • 作業員などへの熱影響
  • 周辺の可燃物への影響

などを考慮して設置する必要があります。

したがって答えは③となります。

この問題の保安協会の解答は⑤となっており、「ロ」のアンモニアを放出する場合、フレアースタックで安全に燃焼させるのものとされていますが、一般的にはアンモニアは不燃性ガスなので、フレアースタックで燃焼処理しません。

アンモニアは燃焼させると NOx(窒素酸化物)を大量に生成し、環境負荷が大きいのも要因となります。

自分の認識不足か印刷ミスか分かりませんが、こちらに関しては個別に調べた内容なので間違いないと思います。

まぁ協会が言うのであれば正しいのでしょう…

問15

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、用役、用役設備について正しいものはどれか。
イ.空気は、装置内の可燃性ガスの排除、工事のためのガス置換、可燃性ガス貯槽のシール用、爆発混合気防止用として使用される。
ロ.不活性ガスを供給する設備について、他の事故による被害によって機能を失うことのないように、安全な位置に設置し、保安電力などを保有した。
ハ.防消火設備へ水を供給する設備は、設置場所として、他の設備の事故による被害によって機能が失われないような安全な位置とする。また、送水機能が失われないよう保安電力などを保有する。
ニ.蒸気は、加熱炉のバーナなどのスチームアトマイジングやフレアースタックの黒煙防止などにも使用されている。

(1) イ、ロ (2) ハ、ニ (3) イ、ロ、ハ (4) イ、ハ、ニ (5) ロ、ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の空気は、装置内の可燃性ガスの排除や工事時のガス置換などに使用されることがあります。

しかし、可燃性ガスの貯槽などでシール用に使用するのは、通常窒素などの不活性ガスです。

空気を使用すると、可燃性ガスと空気が混合して爆発性混合気を形成する危険があります。

「ロ」の記述は正しいです。

不活性ガスを供給する設備は、事故によって機能を失うことがないよう、

  • 他の設備からの事故の影響を受けにくい安全な場所に設置
  • 保安電力などを確保

する必要があります。

不活性ガスは、可燃性ガスの置換など安全確保に重要な役割を持つためです。

「ハ」の記述も正しいです。

防消火設備への水の供給が事故によって停止してしまうと、火災発生時に消火活動ができなくなります。

そのため、

  • 他の設備の事故による影響を受けにくい場所に設置
  • 送水機能を維持するための保安電力などを確保

することが重要です。

「二」の記述も正しいです。

蒸気にはさまざまな用途があります。

例えば、

  • 加熱炉のバーナなどのスチームアトマイジング
  • フレアースタックの黒煙防止

などに使用されます。

スチームアトマイジングでは、蒸気を利用して燃料を微粒化し、燃焼を改善します。

またフレアースタックでは、蒸気を吹き込むことで黒煙の発生を抑制します。

したがって答えは⑤となります。

問16

次のプラントの運転中に起こりうる異常な現象イ、ロ、ハと直線で結んだその対応措置a、b、c
との組合せとして、正しいものはどれか。

(異常な現象) (対応措置)
イ.キャビテーション a.蒸留塔の熱源の減少または停止
ロ.フラッディング b.反応停止剤の注入
ハ.暴走反応 c.ポンプ吸込み側の液面上昇

引用:高圧ガス保安協会

「イ」のキャビテーションは、ポンプの吸込み側で圧力が低下し、液体が局部的に沸騰して気泡が発生する現象です。

そのため、対策としてポンプ吸込み側の液面を上昇させ、吸込み圧力を高めることが有効です。

「ロ」の蒸留塔のフラッディングは、蒸気量や液量が過大になることで、塔内の液が正常に流下できなくなる現象です。

対策として、蒸留塔の熱源を減少または停止して蒸気発生量を減らします。

「ハ」の暴走反応は、反応による発熱がさらに反応速度を高めるなどして、温度・圧力が急激に上昇する危険な現象です。

そのため、反応停止剤(クエンチ剤など)を注入して反応を停止・抑制します。

したがって答えは⑤となります。

問17

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、誤操作防止対策について正しいものはどれか。

イ.安全弁の元弁のハンドルを外すことは、誤操作防止対策にはならない。
ロ.運転上重要なスイッチをダブルアクション式にすることは、誤操作防止対策に有効である。
ハ.指差呼称は、脳に刺激を与え、活性化が図られることから誤操作防止対策に有効である。
ニ.誤操作防止の手法として、ダブルチェック、相互注意、復唱・復命などがある。

(1) イ、ロ (2) ロ、ハ (3) ハ、ニ (4) イ、ハ、ニ (5) ロ、ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の安全弁の元弁のハンドルを外すことは、誤操作防止対策になります

元弁を誤って閉止してしまうと、安全弁が正常に機能しなくなる危険があります。そのため、ハンドルを取り外すなどして、不用意に操作できないようにすることは有効な対策です。

「ロ」の記述は正しいです。

運転上重要なスイッチをダブルアクション式にすることで、1回の操作だけでは作動しないようにできます。

例えば、

押す+回す

など、2段階の操作を必要とすることで、誤操作を防止できます。

「ハ」の記述は正しいです。

指差呼称は、対象を指差して名称や状態を声に出して確認する方法です。

視覚・聴覚・身体動作を組み合わせることで、注意力を高め、誤操作や確認ミスの防止につながります。

「二」の記述も正しいです。

誤操作を防ぐための人的な対策として、

  • ダブルチェック
  • 相互注意
  • 復唱・復命

などがあります。

一人だけの確認に頼らず、複数人で確認したり、指示内容を復唱したりすることで、操作ミスを防止します。

したがって答えは⑤となります。

問18

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、保全計画について正しいものはどれか。

イ.保全方式のうち計画保全には、予防保全、計画事後保全および改良保全の方式がある。
ロ.限られた期間と予算の中で効率的な保全を行うために、保全計画の対象である各設備に重要度ランクを設定した。
ハ.改良保全は、設備の性能や健全性、保全性などを向上させる目的で設備や工事内容を改善しながら整備、修理を行う方式である。
ニ.設備が故障、または性能の低下をきたしてから整備、修理を行うことを前提に管理する方式を、状態基準保全という。

(1) イ、ハ (2) ロ、ニ (3) ハ、ニ (4) イ、ロ、ハ (5) イ、ロ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

計画保全には、

  • 予防保全
  • 計画事後保全
  • 改良保全

などがあります。

設備の状態や使用状況などを考慮して、あらかじめ保全計画を立てて実施します。

「ロ」の記述も正しいです。

保全に使える期間や予算には限りがあります

そのため、すべての設備を同じように扱うのではなく、

「故障したらプラント全体に大きな影響が出る設備」

などを重要設備としてランク付けし、保全の優先順位を決めます。

「ハ」の記述も正しいです。

改良保全とは、単純に故障した設備を元の状態に戻すだけではありません。

設備の性能・健全性・保全性などを向上させるため、設備や工事内容そのものを改善する保全です。

「二」の「故障、または性能の低下をきたしてから整備、修理を行う」は事後保全の説明です。

一方、状態基準保全(CBM:Condition Based Maintenance)は、設備の状態を監視・診断し、その状態に基づいて保全を行う方法となります。

したがって答えは④となります。

問19

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、気密試験および耐圧試験について正しいものはどれか。
イ.高圧ガス設備の開放検査を実施した後、窒素ガスを用い脆性破壊を起こすおそれがない温度で気密試験を行い、フランジ継手などに石けん水を塗り、漏えいがないかを確認した。
ロ.高圧ガス設備の気密試験を行う際、試験圧力まで一気に上昇させ、その試験圧力が定められた数値以上であることを確認し直ちに漏えいがないかを確認した。
ハ.耐圧試験は、原則として水を用いて行う液圧試験であるが、水を使用することが不適当であったので、安全を確保した上で危険性のない気体で試験を行った。
ニ.高圧ガス設備の耐圧強度に関わる部分を溶接補修した後に、耐圧試験を行い設備の膨らみや伸びなどの異常がないことを確認したので、気密試験を実施しなかった。

(1) イ、ハ (2) ロ、ハ (3) ロ、ニ (4) イ、ロ、ニ (5) イ、ハ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

高圧ガス設備の開放検査後には、気密試験を行います。

窒素ガスを使用し、脆性破壊を起こすおそれがない温度で試験するのは適切です。

また、フランジ継手などに石けん水を塗って漏えいの有無を確認する方法も正しいです。

「ロ」の気密試験では、試験圧力まで一気に昇圧してはいけません

試験圧力まで段階的に昇圧し、途中で異常がないことを確認しながら行います。

また、試験圧力に達した後も、適切な方法・時間で状態を確認してから漏えい検査を行います。

「ハ」の記述は正しいです。

耐圧試験は原則として水を使用した液圧試験で行います。

ただし、水を使用することが不適当な場合には、安全を確保した上で危険性のない気体を使用して耐圧試験を行うことがあります。

「二」の耐圧試験を行ったからといって、気密試験を省略してよいわけではありません。

耐圧試験は、

👉 設備が圧力に耐えられるか

を確認するもの。

気密試験は、

👉 ガスが漏れないか

を確認するものです。

特に耐圧強度に関わる部分を溶接補修した場合は、耐圧試験だけでなく、気密性についても確認する必要があります。

したがって答えは①となります。

問20

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、工事安全管理について適切なものはどれか。
イ.塔槽内作業のため、塔槽に接続されているそれぞれの配管の弁を閉止し、弁または配管の継手に仕切板を挿入した。
ロ.可燃性ガス配管の溶接工事にあたり、不活性ガスにより配管内を十分に置換したので、工事中は消火器などの消火のための措置を講じなかった。
ハ.工事作業は、長年依頼している工事業者のベテラン作業員による工事作業であったので、作業前の危険予知活動などの安全確保の状況確認を省略し、作業時間を有効に使った。
ニ.長期にわたる工事であったので、工事の状況に応じて、毎日、工事安全対策の内容の再確認を行った。
(1) イ、ハ (2) イ、ニ (3) ロ、ニ (4) ハ、ニ (5) イ、ロ、ニ

引用:高圧ガス保安協会

「イ」の記述は正しいです。

塔槽内で作業する場合、接続されている配管から可燃性ガスや有害ガスなどが流入するのを確実に防止する必要があります。

そのため、

  • 配管の弁を閉止する
  • 弁または配管継手に仕切板を挿入する

などの措置を行います。

特に「弁を閉めただけ」では不十分で、仕切板を挿入して物理的に遮断することが重要です。

「ロ」の可燃性ガス配管の溶接工事では、不活性ガスによる置換だけで安全対策が完了するわけではありません。

工事中に万一火災が発生した場合に備えて、消火器などの消火設備を準備しておく必要があります。

「ハ」の長年付き合いのあるベテラン作業員だからといって、安全確認を省略してはいけません。

工事前には、

  • 危険予知活動(KY)
  • 作業手順の確認
  • 安全対策の確認

などを実施する必要があります。

「二」の記述は正しいです。

長期工事では、工事の進捗や現場の状況によって危険要因が変化する可能性があります。

そのため、毎日、工事安全対策を再確認することは適切な安全管理です。

したがって答えは②となります。

最後に

いつも言ってますが、高圧ガスの試験は生半可な気持ちで勉強しても落ちる試験です。

そのため、過去問をはじめしっかり対策を講じて試験に臨む必要があります。

当ブログでは数多くの攻略記事を書いているので、受験される方は是非参考にしてみて下さい。

最後に自分が受験する時にお世話になった過去問を紹介します。

恐らく受験を検討している方は既に持っているかもしれませんが、この問題集があるのとないのとではただでさえ高い難易度が更に高くなります。

まだ購入していない方は検討してみて下さい。

今回はこの辺で…

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