一級ボイラー技士 計算問題マスターして合格を勝ち取ろう!

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どーも、ききです。

今回は一級ボイラー技士試験で出題される計算問題について解説します。

といっても計算問題自体出題数が少なく(試験1回で1~2問程度)正直計算問題を落としても合格は十分できる試験となっています。

ましてや計算問題が苦手な方も多いと思います。

この計算問題に本気を出すくらいなら他の科目で一つでも暗記した方が効率が良く感じますが、計算問題は解き方さえ分かれば比較的簡単に解ける問題が多いのが現状です。

しかし、初見の問題も出る事もあるので、いざ見返したら点数がギリギリ…そんな時に貴重な1点となる可能性もあるので、是非しっかりマスターして取り組んでいきましょう。

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計算問題

ボイラー効率

重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時1t、ボイラー効率が90%であるとき、低発熱量が41MJ/kgの重油の消費量の値に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、発生蒸気の比エンタルピは2780kJ/kg、給水の温度は24℃とする。

1: 73kg/h

2: 78kg/h

3: 726kg/h

4:1221kg/h

5:1312kg/h

引用:安全衛生技術試験協会

この手の問題はほぼ毎回出題されてますが、公式さえ覚えてしまえばすぐに解く事が出来ます。

まず公式ですが、

ボイラー効率=蒸発量×(蒸気の比エンタルピ-給水の比エンタルピ)÷燃料消費量×燃料低発熱量

一見難しそうに感じますが、この式は確実に暗記しておきましょう。

給水比エンタルピと燃料消費量以外はそれぞれ問題文に記載されているので、他をそのまま代入します。

0.9=1,000x(2,780-給水比エンタルピ)÷41,000x燃料消費量

※ボイラー効率は90%なので0.9、低発熱量はMJ/kgなのでkJ/kgに換算する事に注意が必要です。

そして、給水比エンタルピは温度と4.19を掛けて求めます。

これも覚えておく必要があります。

すると

0.9=1,000x(2,780-24x4.19)÷41,000x燃料消費量

このようになり、式を整理すると

36,900x燃料消費量=26,890,000

となり、

燃料消費量=約72.6kg/h

となります。

いきなり、難しいと感じた方もいるかもしれませんが、ちょっと簡単になるポイントとして、給水比エンタルピは温度x4.19ですよね。

この温度が24℃であれば計算すると約100になります。

そのため、「蒸気比エンタルピ-100」となるので、少しだけ計算が楽になります(小数点まで正確に計算する必要はありません)

こちらも是非覚えておいて下さい。(問題によっては毎回24℃となる訳ではないので注意して下さい。

別の問題は

次の状況で運転しているボイラーのボイラー効率の値に最も近いものは、1~5のうちどれか。

蒸発量—–5t/h
発生蒸気の比エンタルピ—–2790kJ/kg
給水温度—–24℃
燃料の低発熱量—–42MJ/kg
燃料消費量—–360kg/h

1:74%

2:79%

3:84%

4:89%

5:94%

引用:安全衛生技術試験協会

問題文の書き方は違いますが、解き方は同じです。

こちらはボイラー効率を求めるので、先程の式にそれぞれの数値を代入すると

ボイラー効率=5,000x(2,790-24x4.19)÷42,000x360

式を整理すると

ボイラー効率=13,450,000÷15,120,000

となり

約0.889となるので答えは約89%となります。

さらにもう1問

次のような仕様のボイラーに使用される燃料の低発熱量の値に最も近いものは、1~5のうちどれか。

蒸発量—–5t/h
発生蒸気の比エンタルピ—–2780kJ/kg
給水温度—–24℃
ボイラー効率—–90%
燃料消費量—–370kg/h

1:38.8MJ/kg

2:39.2MJ/kg

3:40.2MJ/kg

4:41.7MJ/kg

5:42.1MJ/kg

引用:安全衛生技術試験協会

今度は燃料消費量を求めるので、他の数値をそれぞれ代入すると

0.9=5,000x(2,780-24x4.19)÷370x燃料低発熱量

このようになり、式を整理すると

0.9=13,400,000÷340x燃料低発熱量

さらに整理すると

333x燃料低発熱量=13,400,000

このようになり

燃料低発熱量=約40,240kJ/kg

最後にMJ/kgに換算して約40.2MJ/kgとなります。


ここまで3パターン紹介しましたが、概ねこの3パターンのどれかが出題される事が多いので、まずは確実に公式を暗記して、問題に応じて解いていきましょう。

最後にもう一度公式を記載するので、確実に覚えましょう。

いいですか、確実にですよ。

ボイラー効率=蒸発量×(蒸気の比エンタルピ-給水の比エンタルピ)÷燃料消費量×燃料低発熱量

蒸気圧力1.0MPa、給水温度24℃、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量1t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いものは、次のうちどれか。
ただし、絶対圧力1.1MPaの飽和水の比エンタルピは781kJ/kg、蒸発熱は2,000kJ/kgとする。

1:0.43t/h

2:0.93t/h

3:1.14t/h

4:1.19t/h

5:1.23t/h

引用:安全衛生技術試験協会

この問題は過去問でも比較的古い時期に出題された形式なので、正直出題される可能性は低いですが、念のため押さえておきましょう。

まず換算蒸発量を求める公式は

換算蒸発量=実際蒸発量×(発生蒸気の比エンタルピ-給水の比エンタルピ)/2,257

この式も暗記する必要があります(2,257という数字も忘れずに

この問題で肝になるのは「発生蒸気の比エンタルピ」の求め方で、これは蒸発熱を蒸気圧力から湿り度を引いたものを掛けて、それに飽和水の比エンタルピを足して求めます。最後の給水比エンタルピは前の問題と同様で求めます。

実際に式に当てはめながら解いていくと

1,000x{2,000-(1-0.05)+781-24+4.19}÷2,257

このようなちょっとややこしい式になります。

ちょっと整理すると

1,000x(1,900+781-100)÷2,257

このようになり、

1143kg/h

となり、「t/h」に換算すると

約1.14t/h

このようになります。

この問題は他の問題とちょっと解き方も異なり、出題頻度もかなり低いかと思うので、そこまで重要度は高くありません。

覚えるのがめんどうですが、念には念を入れて覚えておけばもし出題されても落ち着いて解く事が出来るので、余裕があれば覚えておきましょう。

イオン濃度

蒸発量が125kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が15mg/Lの給水を行い、5kg/hの連続吹出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値に最も近いものは、次のうちどれか。なお、Lはリットルである。

1:370mg/L

2:390mg/L

3:410mg/L

4:430mg/L

5:450mg/L

引用:安全衛生技術試験協会

この問題は、蒸発量が125kg/hと5kg/hの連続吹出しが15mg/Lの給水を行い毎日発生しており、この値が1日の吹出し量にボイラー水の濃度を掛けたものと等しくなる事を押さえます。

つまり、

(1日当たりの蒸発量+1日当たりの吹出し量)x給水量=1日当たりの吹出し量xボイラー水の濃度

このようになります。

なんか言ってる事分からなくても、とりあえずこの問題も式を暗記する事が重要となります。

式さえ覚えてしまえば、あとはそれぞれ代入して解くだけとなります。

問題文に記載されている蒸発量や吹出し量は「kg/h」と1時間当たりの量なので、まずは1日当たりの量に換算します。

1日の蒸発量=0.125x24=3t

1日のブロー量=0.005x24=0.12t

そしてこの数値を先程の式に当てはめると

(3+0.12)x15=0.12xボイラー水の濃度

このようになり、式を整理すると

ボイラー水の濃度=390mg/L

このようになります。

式さえ覚えてしまえば、あとは数値を代入して解くだけなので、意味が分からなくてもとりあえず式の暗記を重要視しましょう。

もう一度こちらに記載するので、しっかり頭に入れて下さいね。

(1日当たりの蒸発量+1日当たりの吹出し量)x給水量=1日当たりの吹出し量xボイラー水の濃度

さて、ここで最初のボイラー効率問題の式を忘れていないか確認しましょう。

まさか忘れていないですよね?

ここに式の穴埋め問題を記載するので、こちらを解いてから次の項に進んで下さいね!

ボイラー効率=〇〇量×(〇〇の比エンタルピ-〇〇の比エンタルピ)÷燃料〇〇量×燃料〇〇〇量

正解はこちら

ボイラー効率=蒸発量×(蒸気の比エンタルピ-給水の比エンタルピ)÷燃料消費量×燃料低発熱量

では次の問題

蒸発量が1日5tの炉筒煙管ボイラーで、ボイラー水の塩化物イオン濃度を380㎎/Lに保持するとき、必要な連続吹出し量の値に最も近いものは、次のうちどれか。
ただし、給水の塩化物イオン濃度は18㎎/Lとする。
なお、Lはリットルである。

1:9.9kg/h

2:10.4kg/h

3:13.5kg/h

4:128.4kg/h

5:248.6kg/h

引用:安全衛生技術試験協会

先程の問題はボイラー水のイオン濃度を求める問題でしたが、こちらは吹出し量を問われています。

しかし、解き方は他の計算問題同様、同じように式に当てはめて解いていきます。

この問題は既に1日あたりの蒸発量が記載されているので、そのまま使用して

(5,000+吹出し量)x18=吹出し量x380

式を整理すると

吹出し量=約248.6

となります。

で、この問題の最大の引っ掛けポイントが、最後に出てきた数値は1日当たりの量に対して、解答欄は1時間当たりの量(kg/h)になっている点です。

そのため、最後に求めた吹出し量を24で割る必要があり、

248.6÷24=約10.4kg/h

このようになります。

普段の問題は紛らわしい解答が含まれている事はあまりありませんが、この問題に限っては1日当たりの吹出し量と全く同じ数値が解答にあるので、まさにひっかけ問題と言えます。

しっかり問題文を読めば(解答も含め)間違える事はなくなるかと思うので、しっかり文章を読んで解いていきましょう。


とまぁ、この問題も問われている部分が異なりますが、式さえしっかり覚えておけば確実に点数を取れる問題なので、式の暗記に関しては念仏のように毎日唱えておきましょう(無理

理想酸素・理想空気

炭素2kgを完全燃焼させるときに必要な理論酸素量の値に最も近いものは、1~5のうちどれか。
なお、炭素が完全燃焼して二酸化炭素になる反応式は次のとおりである。また酸素の体積は、標準状態(0℃、101.325kPa)の体積とする。

C+O2→CO2

1: 3.7m3

2:11.2m3

3:17.8m3

4:22.4m3

5:53.4m3

引用:安全衛生技術試験協会

この問題は過去に解説している「甲種危険物取扱者」の問題に若干酷似しています。

難易度は圧倒的に甲種危険物の方が高いですが、興味があればこちらもどうぞ。

まず化学式の

C+O₂=CO₂

それぞれの分子量は全て1molとなり、体積もそれぞれ22.4m³となります。

Cの原子量は12、Oの原子量は16となり(この2つは最低限覚えましょう)質量は

12+16x2=44

となります。

が、質量関してはこの問題では必要ありません

重要なのは次から

で、理想酸素量は体積÷原子量となるので、

22.4÷12=約1.87

となります。

この1.87が2kgなので

1.87x2=約3.7m3

このようになります。

とにかく、理想酸素量=体積÷原子量この式はやっぱり暗記する必要があります。

まぁ体積は大抵22.4なので22.4÷原子量でも問題ありません。

類似問題もう一問いきます。

炭素30㎏が空気比1.3で、完全燃焼したときの実際空気量の値に最も近いものは、1~5のうちどれか。
なお、炭素の原子量は12とし、空気の体積(m3)は標準状態(0℃、101.325kPa)に換算した値とする。

1:236m3

2:285m3

3:347m3

4:419m3

5:508m3

引用:安全衛生技術試験協会

こちらの問題文ではあらかじめ炭素の原子量が記載されていますが、先程の問題のように記載されていない場合もあるので注意して下さい。

炭素1kgを完全燃焼させる時の式は

C+O₂=CO₂(二酸化炭素)

このようになり、それぞれ分子量1molに対して体積が22.4m³となります。

つまり、炭素1molあたりの体積は22.4となるので

理想酸素量=22.4÷12=約1.86

となります。

これが30kg分なので

30x1.86=約56.1

となります。

また、空気中の酸素量は概ね0.21となっています(空気中の酸素の割合)

したがって式は理想空気量=理想酸素量÷0.21となり

56.1÷0.21=約267.1

となります。

これはあくまでも理想空気量なので、この問題では最後に空気比1.3を掛けて実際空気量を求めていきます。

267.1x1.3=約347m3/kg


この問題では理想酸素量まで求めるパターンと理想空気量から実際空気量まで求めるパターンの2通りがありますが、どちらもやはり式を暗記する事が重要です。

式さえ覚えてしまえば余裕(?)なのでしっかり押さえておきましょう。

理想酸素量=22.4÷原子量

理想空気量=理想酸素量÷0.21

実際空気量=理想空気量x空気比

最後に計算問題ではないですが、良く出題される式の問題を紹介します。

次の文中の[  ]内に入れるAからCまでの数値の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
なお、体積は、標準状態(0℃、101.325kPa)の体積とする。

「液体燃料1kg当たりの理論酸素量O(m3)は、燃料1kgに含まれる炭素、水素、酸素及び硫黄の量をそれぞれc、h、o及びs(kg)とすれば、次式で表わすことができる。

1:A=2 B=2 C=16

2:A=2 B=2 C=32

3:A=4 B=2 C=16

4:A=4 B=8 C=16

5:A=4 B=8 C=32

引用:安全衛生技術試験協会

この問題に関しては、理屈を解説するよりも数値は変わらないので、答えそのものを暗記した方が早いです。

ちなみに答えはとなります(分母が12,4,8,32となる組み合わせ)

自分だけの覚え方ですが(この覚え方は理解できない人が多いと思うので、意味不明なら飛ばして下さい)

遥か昔ですけど、近くの駄菓子屋にネオジオのビデオゲーム筐体があったんですけど

引用:aucfan

こんな感じのボタンが4つのタイプの筐体で、中に「KOF‘95」というゲームが入っていました。

このゲームの裏技で、ある特定のコマンドを入力するとラスボスや中ボスが使用可能となるものがありまして、それが

「キャラクター選択画面でスⒸタートを押しながら↑+Ⓑ、→+Ⓒ、←+Ⓐ、↓+Ⓓ

この「B→C→A→D」の順番がこの問題の数値の大きさに比例している事に気づいて、この問題の数値はこのコマンドを思い出して対策しました。

なんのこっちゃって感じですが、暗記方法に関しては各自様々あるかと思います。

自分が覚えやすいものが一番だと思うので、あくまでも参考までに。

まとめ

当ブログでは一級、二級ボイラー技士の攻略記事を多数公開しているので、受験される方はこれらの記事も参考にしてみて下さい。

あくまでも試験合格に特化した内容となっているので、細かい理屈はあまり解説していませんが、合格だけを目指すのであれば多少は役に立つと思います。

二級ボイラー試験に関する記事はこちら

今回はこの辺で…

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